NAINAI2月号 デジタル遺品(その2)

新年になりましたので、2023年(令和5年)、デジタル社会でどのようなことが予定されているのか、確認していきたいと思います。

1 ○○ペイのデジタル給与払いが解禁(春)

今までは給与は銀行等口座に振込むか、現金で支給するしかありませんで

したが、今年から給与を○○ペイでもらえるようになります。これにより、○

○ペイの残高が増えることが予想されます。

2 Androidにマイナンバーカード機能が融合(5月)

Androidスマホにマイナンバー機能があるソフトをダウンロードすること

で、Androidスマホをお持ちの方はマイナンバーカードを持ち歩く必要がなく

なります。

3 メガバンクによるデジタル証券が本格的にスタート

今年は、デジタル証券元年になると考えられます。これによりデジタル証券

をお持ちの方が亡くなった場合の問題が発生してきます。

4 米国カリフォルニア州の個人情報保護法「CPRA」が全面施行(1月)

IT企業の多くが本社を置く米国カリフォルニア州で個人情報保護法の強

化版が施行されることにより、SNSの利用規約等が変更となる可能性があ

ります。

5 ソフトバンクの3G通信が終了(2024年1月終了)

来年ですが、お使いの方は変更手続きを強制されます。

6 Twitterの混乱は続く

昨年末、休眠15億アカウントを削除すると発表しました。故人が使ってい

たアカウントも削除される恐れがあります。

 

さて、デジタル遺品ですが、先月号で高齢者のスマホ利用率が急激に上がっているという話をしました。高齢者に限らないのですが、スマホを利用されている方が死亡した場合、そのスマホを開けることができない問題が多発しています。スマホもしくはクラウド上に資産価値があるデータがある場合、スマホを開けることができなければ、そのデジタル遺産を相続できないことになります。スマホのロックを解除するには、暗証番号を入力する、指紋認証、声紋認証等が考えられると思います。利用者が死亡した場合、暗証番号を入力することでロックを解除する方法に限ると思われますが、これが問題なのです。スマホのロックを解除することを電話会社に言っても、スマホの機種会社に言っても取り合ってもらえません。そこで自分でやろうとすると多くの問題が発生します。間違ったパスワードを複数回入力してしまうとパスワードを受け付けないようになってしまったり、機種の設定次第では、スマホが初期化になるものもあるようです。

かといって、機種の初期化をしてしまうと、保存されていたデータの復元が困難になってしまったり、復元不可能になったりすることもあります。

一方、パソコンであれば、暗証番号がわからなくても、何とか開けることはできるようです。スマホはアップル、グーグル等の支配力が強いので、簡単に開けられないようになっているのです。

お金を掛けてパスワード解除会社に依頼したところで、100%解除できるという保証もありませんし、その解除に2年近い期間が掛かることもあるようです。また、その報酬は約30万円とも聞きます。「絶対解除できます」という業者がいたら、それは詐欺です。FBIでも暗証番号がわからないすべてのスマホを開けることはできないようです。

そこで提案ですが、名刺サイズの「スマホのスペアキー」という紙製のカードがあります。ここにスマホのパスワードを記載し、マスキングして、保険証等の重要書類と一緒に保管されてはいかがでしょうか。面倒ですが、残された方のことを考えて、記載して保管してください。ご自分で作成されてもよいと思います。

投稿者プロフィール

川口邦則
川口邦則
熊本県八代郡市、宇城市を中心に、相続の手続きや不動産登記、会社設立、遺言書の作成サポートをはじめ、借金問題などの債務整理、近年需要が益々増えてきている成年後見などをサポートしております。 困ったことがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

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