NAINAI3月号 デジタル遺品(その3)
今回はデジタル遺品に関する都市伝説について考えたいと思います。
デジタル遺品について、次の事案が発生することがあると思いますか?
1 故人のFXを放置していたら、2000万円の借金になった。
2 故人のスマホだけでアクセスできる資産が数十万円に及ぶことがある。
3 故人のSNSやブログは永遠にインターネット上に存在する。
4 ロックがかかったスマホは国軍やFBIであっても開けない。
5 死後のデジタル遺品調査で、海外口座や浮気データが見つかり、遺族が凍
り付いた。
6 故人のLINEが突然、別人のものに切り替わることもある。
順番にみていきたいと思います。
1 これは都市伝説です。
国内のFX市場において、現在、レバレッジは最大で25倍です。レバレ
ッジとは、手元資金の○倍の取引ができることです。手元資金が100万円
で25のレバレッジでしたら、2500万円分の取引ができるということ
です。1998年に始まった国内FXですが、当時は最大400倍でした。
100万円の手元資金で4億円の取引ができたということです。怖いです
ね。ですから、現在の国内FXではよほど高額な取引を行っていない限り、
2000万円の借金になることはありません。FX業者への調査によると
年間5件くらい故人のFX取引がマイナスになり、その額は最大約100
万円であったということです。ただし、故人が国外のFX取引を行っている
場合、レバレッジの倍率を確認し、適切に手続きする必要があります。
2 これは○です。あり得ます。
現在、ネット銀行、○○pay、上記のようなFX取引等、スマホだけを
利用し、このようなサービスを利用されている方は多いと思います。先月号
でお話したとおり、今春から給与を○○payで支払うことが可能になり、
○○payの残高は多くなると思われます。ということは、今後、○○pa
yがデジタル遺品になることが多くなると思われます。ちなみにpayp
ayは最大200万円までチャージすることができます。
3 これは都市伝説です。
その媒体が掲載されていたサイトが閉鎖されると、そこにアップしていた
記事等は強制的に削除されることになります。2019年3月31日でYa
hoo!ジオシティーズがサービスを終了しました。よって、このサイトで作
成したホームページは閲覧できなくなりました。また、2023年1月31日
でウェブリブログもサービスを終了しました。さらには、windows10の大型
アップデートの際には、ごく一部の方でパソコン内のホルダーが消去された
というクレームが出ました。このように、ネット上のデータは何らかの都合に
より消去されます。残しておきたいデータは自分でハードディスクもしくは
クラウド上等で保管しておく必要があります。企業はその収益状況によって、
サービスを突然終了することがあります。今、大人気のYouTubeも今後、10
年後、20年後に存在しているかはだれにもわかりません。
残りの3つは来月号で解説します。
投稿者プロフィール
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